あなたは「このまま」でいいのか
青年 私の友人にいつも明るくて初対面でも屈託なく話せるYとう男がいます。皆に愛され、周囲を一瞬で笑顔にする、ひまわりのような男です。一方私は人づきあいが苦手だし、屈折したところがあります。私はYのようになりたいけど、気質の違いでなれっこない。
哲人 どうしてあなたはYさんのようになりたいのですか?
青年 私はYが好きだし、Yのようになれたら幸せだと思うからです。
哲人 ということはつまり、あなたは今幸せではないのですね?
青年 そうですね。私は今の私が嫌いです!
哲人 いいですか。どれだけYさんになりたくてもYさんになることはできないし、あなたは「あなた」なのです。しかし、このままの「あなだ」でいいのかと聞かれればそれは違います。もしも幸せを実感できずにいるのであればこのままでいいはずがない。一歩前へ進まなければなりません。
青年 手厳しい言葉ですね。そうです。前へ進まなければいけない。
哲人 アドラーは言います。大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである。あなたがYさんなり、他の誰かになりたがっているのは、ひとえに「何があたえられているか」に注目ばかりしているからです。そうではなく、「与えられたものをどう使うか」に注目すべきなのです。
人は人 自分は自分